アニマルドクターメッセージ
お腹の中にできるがん
ワンちゃん猫ちゃんも高齢になると、がんの発生率が高くなりますが、中でもお腹の中にできるがんは見た目にはわかりづらく、症状が出て発見したときには手遅れになっていることも多い病気です。
お腹の中にできるがんとしては、胃、腸、肝臓、膵臓、副腎、リンパ節、腎臓、膀胱、前立腺、卵巣、子宮などにできるさまざまなものがありますが、泌尿・生殖器にできるものは切除により完治も望める場合もありますが、それ以外のものでは症状が出て発見されたときには転移などが起きてしまっていることや、また、他の部位などからの転移であることも多く、外科切除に成功してもその後放射線療法や化学療法などの抗癌治療が必要になることも多いです。
● 胃・小腸の腫瘍
いわゆるがん(腺がん、リンパ肉腫、平滑筋肉腫など)のほか、平滑筋腫や腺腫様ポリープなどの良性の腫瘍もあります。症状は嘔吐下痢や元気食欲の減退、体重減少、腹部痛や吐血、下血、貧血などが起きます。
● 大腸の腫瘍
いわゆるがん(腺がん、扁平上皮がん、リンパ肉腫)のほか、炎症性、過形成性ポリープ、平滑筋腫、脂肪腫などの良性の腫瘍もあります。症状は出にくい場合が多いですが、便に鮮血が混ざったり、下痢などの症状がみられます
● 肝臓の腫瘍
肝臓がん(腺がん、リンパ肉腫)では他の部位にできたがんが転移したものが多く、はじめから肝臓にがんができるケース(原発性)は比較的まれです。元気食欲不振、嘔吐、下痢、貧血、黄疸などの症状が現れます。また、肝臓が腫れたり、腹水がたまってお腹がふくれてくることもあります。また発作などの神経症状が出る場合もあります。
● 膵臓の腫瘍
インスリノーマといって、インスリンを分泌する腺組織が腫瘍化するものがあります。これにより、低血糖状態が起こります。
● 副腎の腫瘍
副腎が腫瘍化するとコルチゾールというホルモンの分泌が過剰になり、これにより、免疫力の低下やインスリンの働きが妨げられたりなどの障害がおこります。
● 膀胱の腫瘍
大部分は移行上皮がんという悪性腫瘍です。そのほか扁平上皮がん、腺がんなどの場合もあります。乳頭腫、平滑筋腫などの良性腫瘍もあります。尿に血が混ざったり、尿が出にくい、排尿回数が多いなど、膀胱炎と似たような症状が現れます。
生殖器系の卵巣子宮のガンは、避妊手術をすることによりリスクがゼロになりますし、雄の前立腺の腫瘍も去勢手術によりかなりの確率で予防することができます。
予防できるものはしっかりと予防をし、このように外からはわかりにくいですので、定期的な健康診断で早期発見早期治療につとめてあげましょう。


