アニマルドクターメッセージ
あらためて考えるフィラリア予防
ワンちゃんを飼育されているご家庭では毎年フィラリアの予防をしていただいているかと思いますが、改めてフィラリアとその予防について考えてみましょう。
フィラリア症って何?
フィアリア症とは、蚊が媒介するフィラリア(犬糸状虫、犬心臓糸状虫)という寄生虫が、心臓の右心室、肺動脈それに後大静脈等の静脈系肺動脈や心臓に寄生して起こる病気です。
フィラリアは、蚊が媒介昆虫となって感染します。すでにフィラリアに感染している犬の血液中には、フィラリアの子虫のミクロフィラリアが沢山います。その血液を蚊が吸血するときにミクロフィラリアも一緒に吹込んでしまいます。感染子虫を持った蚊が次の犬を吸血するときに感染子虫は蚊の唾液とともに蚊から脱出して犬の体内へ侵入します。これで感染は成立です。予防が普及している今日でも東京地区の感染率が約3割というデータがあります。
どんな症状がでるの?
感染してしばらくはほとんど無症状ですが、数年たつと静脈系の循環不全として色々な症状を示して来ます。元気・食欲がない、咳をする、痩せる、呼吸が苦しそうなどがあげられます。慢性の症状としてはこのようなものがありますが、急性の症状として、多数の虫体が一度に後大静脈に詰まってしまうことによって発症する別名後大静脈塞栓症といわれる危険な状態があります。後大静脈に虫がぎっしり詰まっていますから血液が流れることが出来なくなってしまいます。
どうやって予防するの?
蚊のいる時期(厳密には蚊が出始めてから1ヵ月後〜蚊がいなくなってから1ヶ月後)に月に一度、体重にあった量の薬を投薬します。薬は錠剤やチュアブルタイプのジャーキ状になったものがあります。他にはスポットオンタイプのものや注射薬のものもあります。
治療
太い血管にフィラリア虫体が詰まる危険のある急性の状態では、手術で虫体を取り出します。
フィアリアの成虫をたたく注射がありますが、入院観察をしながら慎重に治療します。
以上のような積極的な成虫駆除の治療に耐えられない状態の場合は、フィラリアの幼虫のみをたたいて、フィラリアの成虫の寿命(3〜5年)がくるのを待ちます。
運よく、フィラリアを駆除できても、心機能の低下は残ってしまいますので、それに対する対応は生涯必要になります。
まとめ
以上が簡単な概略ですが、予防を全くしないとひと夏で30%、3年で100%感染というデータもあります
フィラリア症に感染してしまうと長期にわたり犬は苦しみ、飼主さんの苦労と出費は続きます。こうならない為にフィラリアの予防をする必要があるのです。


