PUPS-仔犬の社会化促進プロジェクト委員会

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アニマルドクターメッセージ

避妊と去勢

ワンちゃんが発情期を迎えるようになると、避妊や去勢の手術を受けさせるかどうかお悩みの方も多いと思います。今回は避妊去勢手術の意義について考えてみましょう。

なぜするの?

いくつか理由があります。主なものとしては、望まれない妊娠の回避、問題行動の解消、性格改善、遺伝性疾患を残さない、生殖器、ホルモン関連の疾患予防および治療があげられます。

1) 望まれない妊娠の回避

無計画な妊娠出産は避けなくてはなりません。生まれてくる子犬をきちんと飼育できる、あるいは里親さんを確保できるということが繁殖の必須条件になります。 これだけペットブームといわれる昨今でも、飼い主さんの事情により飼育放棄される犬や猫はあとをたちません。(平成14年度の犬猫の引き取り数は環境省データーによると47万頭でそのうち殺処分は97%です)

2) 発情期の問題行動の解消

動物にとっては自然な発情期の行動でも人間との共同生活の中では時に問題を生じます。 雌では外陰部から血液性の分泌物が出たり、頻繁に少量の尿をしたりして部屋を汚してしまうことがあります。雄は半径2キロ以内の発情した雌の臭いをかぎわけられるといわれていますが、雌をもとめて脱走したり、その際に迷子になったり、交通事故にあってしまうこともあります。

3) 性格改善

手術をすることにより、性欲がなくなるため交尾行動は無くなります。また、遠吠え、無駄吠え、人間に対する攻撃性、室内でのマーキングなどの問題行動をある程度抑えることができます。

4) 遺伝性疾患を残さない

遺伝によると思われる先天性の疾患を持つ動物を繁殖に供しないことによりそれらの疾患を後世に残さないようにします。

5) 生殖器・ホルモン関連の疾患の予防および治療

雌では乳腺腫瘍、子宮蓄膿症、雄では精巣腫瘍、前立腺肥大、肛門周囲腺腫、会陰ヘルニアなどの疾患の予防となります。また治療としても避妊去勢手術が行われます。

どうやってするの?

雌は卵巣と子宮、雄は睾丸を取り出す手術が行われます。雌はお腹をあける手術になりますので、1日〜数日の入院が必要となります。雄は日帰りでOKです。

いつごろしたらいいの?

雌は初回発情前〜2回目の発情までが適期ですが、体の成熟のことを考慮にいれると、初回発情後3ヶ月くらいがよいでしょう。この時期に手術を行うと将来的に乳腺腫瘍の発生リスクを限りなく0に近くすることができます。雄は生後半年齢になれば手術可能ですが、尿道の形成のことも考えると10ヶ月〜1歳前後がよいでしょう。

雌の発情中は子宮が充血しているので、その時期は避けたほうがよいでしょう。 また、マーキングに関しては3〜4歳の雄で習慣がついてしまった子では去勢手術をしても改善されないこともあります。

手術の後に気をつけることは?

雄、雌ともに活動性が若干低下しますので、太りやすくなります。 肥満になってしまうと、心臓、肝臓に負担がかかったり、糖尿病になりやすくなりますので、食餌管理には気をつけてあげてください。

最後に

日々臨床の現場にいると、乳腺腫瘍や子宮蓄膿症はとてもよく出くわす疾患です。 悪性の乳腺腫瘍でわが子を失ってしまった飼い主さんが「こんなことになるなら、健康なうちからなんでもできることはやってあげればよかった…」とおっしゃったのが印象に残っています。

以上のような点から、避妊去勢手術は決して人間のエゴなどではなく、ワンちゃんの快適な生活のためにも必要なことですので、不安な点はかかりつけの獣医師とよく相談なさって適切な時期に手術をおうけになることをお勧めいたします。